Pharma Forum Dialogues

バイオシミラー初の米国連邦最高裁における司法審査

Posted by New York Pharma Forum Inc. on Apr 10, 2017 1:38:08 PM

By: Nao Takada and Eric W. DittmanPaul Hastings LLP

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背景

2010年、米国議会Nao Takada & Eric Dittmann - Combined Headshots.jpgはバイオ医薬品市場におけるイノベーションと競争とのバランスを構築する試みとして、生物製剤価格競争・
イノベーション法(Biologics Price Competition and Innovation Act: BPCIA)を制定した。 従来、申請者はFDAにその製品の安全性および有効性を実証する臨床データを提供し、販売承認の許可申請であるバイオロジック・ライセンス・アプリケーション( Biologics License Application: BLA)を提出していた。 BPCIAの元の簡略化された経路では、簡略化されたBLA(「aBLA」)の申請者は、その製品が「バイオシミラー」または「交換可能[1] であることを示す情報を代わりに提出する。既に承認されている参照製品のスポンサー(Reference Product Sponsor: RPS)は、後続のバイオシミラー製品に対して特許保護の有無にかかわらず、最長12年の独占期間を得る。

この法令のセクション 262(l) に規定されているBPCIAの枠組みによると、RPS とバイオシミラー申請者(Biosimilar Applicant: BA)間の潜在的な特許紛争は、「特許ダンス」と呼ばれる手続きで解決されるが、その手続きではBAとRPSが訴訟の対象となる特許の範囲に合意するため、関連する可能性のある特許のリストを交換する。 この法定スキームの一環として、パラグラフ(8)(A)(下記参照)において、BA はバイオシミラー製品の商業的マーケティングの意図を通知する義務を負う。

(8) Notice of commercial marketing and preliminary injunction
(A) Notice of commercial marketing
The subsection (k) applicant shall provide notice to the reference product sponsor not later than 180 days before the date of the first commercial marketing of the biological product licensed under subsection (k).

 バイオシミラーの上市可能なタイミングの重要性に鑑み、この規定に関しては最近の連邦巡回区控訴裁判所の判決が2件ある。

アムジェン対サンド[2]

最初のケース、アムジェン対サンド、は1991年以来販売されているアムジェン社 の 製品、Neupogen® が関わっている。 2014 年 5 月にサンド社は、そのバイオシミラー版 (Zarxio®) の販売を求め、aBLA を提出したものの、「特許ダンス」の手続きには従わないことを選び、アムジェン社にその aBLA を開示しなかった。 2014 年 7 月 7 日、サンド 社はaBLA がFDA により審査の為受理されたとの通知を受け取り、アムジェン社に対し、2015年が予測される商業的マーケティングの‟実効的通知“を提供。[3]   アムジェン社はその後サンド社を提訴し、主張は数々あるものの、サンド社が「BPCIAセクション262(l)(2)(A) の下で必要な情報を開示し損ね、そのバイオシミラー製品の FDA 承認前に時期尚早かつ効果のない商業マーケティングの通知をしてBCPIAに違反した」[4]と訴えた。 地方裁判所は、(1)「 特許ダンス」はオプションである、(2) BAはFDA の承認前に商業マーケティングの通知をしてもよいと判断した。 控訴審である連邦巡回区控訴裁判所は、「特許ダンス」はオプションであることには同意したものの、申請者はセクション262(l)(8)(A)の180 日前の通知をFDA の承認後のみ効果的にできると判断した。[5]  連邦巡回区控訴裁判所は、そのような通知を要求することは“RPSに、どの特許で裁判所から仮差し止めを求めるのか、また仮差し止めを求めるかどうかにつき、効果的に判断をすることを可能にする」と説明し、またそのような通知を求めることはBA が「licensed」(すなわち、FDA 承認を得ている)という法令上の要求と 一貫しているとしている。[6] 

アムジェン対アポテックス[7]

 昨年、アムジェン社がまたRPSである別のケースがあり、その中でアポテックス社は、対サンド社の件と同様、そのバイオシミラー版のNeulasta®についての商業マーケティングの通知をFDA承認前に提供した。しかし、サンド社とは異なり、アポテックス社は特許ダンスを開始し、アムジェン社と特許リストとコンテンション(主張)を交換した。 アムジェン対サンドに基づき、地方裁判所は、FDAの承認後180日までの上市を禁止する仮差止命令を与えたところ、アポテックス社は控訴審において、アポテックスが特許ダンスを遵守していることに鑑み、アムジェン対サンドは適用されないと主張した。連邦巡回区控訴裁判所は、それには同意せず、バイオシミラー申請者が特許ダンスに参加することを選択したか否かに関わらず、承認後の180日の期間は強制的でありかつ差し止め命令で執行可能な期間であると説明した。

米国連邦最高裁への上告申し立て

2016年の初頭、米国連邦最高裁への上告申し立てが両ケースにおいて行われた。アムジェン対アポテックスの申請は却下されたものの、アムジェン対サンドに関しては上告が認められた。上告を認めるにあたり、最高裁は連邦巡回区控訴裁判所とは意見を異にする訴訟長官の以下の意見に同意したようである: 

(1) BPCIAがセクション262(l)(8)(A)を実施するための明示的または黙示的私的権利は何ら提供していない、

(2) 法規条項にある「licensed」という言葉は商業的マーケティングの通知を提供する際にBAがFDAの承認を得る必要があることを裏付けない。[8] 2月、サンドはとりわけ次のような短い議論を提出した。(1) 法令は、FDA承認前に180日の通知を提出できるように解釈されるべきである。(2) 連邦巡回区控訴裁判所の決定は、商業的マーケティングの通知を「強制する」ための余分な法的権利を作り出した。(3) 連邦巡回区裁判所の判決は、RPSにその法定期間を超えて追加の180日間の差止命令を与えるため、議会が慎重に構築したバランスを崩す。[9]  3月現在、サンド社の立場を支持する9つのアミカス・クリエ意見書とアムジェン社の立場を支持する5つのアミカス・クリエ意見書が提出されている。

最高裁判決の影響

最高裁の判決は、180日の商業的通知に求められる時間を明確にするだけでなく、BPCIAにより達成されうるイノベーションと競争との間のバランスに関して重要な指針を提供すると思われる。口頭弁論は現在、2017年4月26日に予定されており、私たちは最高裁判決とその意味につき、また追ってご報告する予定である。

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[1] 42 USC 262(k)(2)-(5), 262(i).

[2]  Amgen Inc. v. Sandoz Inc., 794 F.3d 1347 (Fed. Cir. 2015), cert. granted, Nos. 15-1039 & 15-1195, 2017 WL 125661, 125662 (U.S. Jan. 13, 2017).

[3] サンド社は最終的にはFDA承認の当日に商業的マーケティングの通知をしたものの、本件での問題点はFDA承認前の通知に効果があったか否かである。

[4] Id. at 1353.

[5] Id. at 1357.

[6] Id. at 1357.

[7] Amgen Inc. v. Apotex Inc., 827 F.3d 1052 (Fed. Cir. 2016), cert. denied, 137 S. Ct. 591 (2016).

[8] Brief for the United States as Amicus Curiae., Sandoz Inc. v. Amgen Inc., No. 15-1039, 15-1195  (U.S. Dec. 7, 2017), at 13, 19.  訴訟長官は商業的マーケティングの通知が無視された際には早急に特許侵害訴訟に持ち込むことができるとも意見した。  Id. at 20.

[9] Petitioner’s Br., Sandoz Inc. v. Amgen Inc., No. 15-1039 (U.S. Feb. 10, 2017).

Topics: biosimilars, Supreme Court, BPCIA

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